天地の声 令和七年十月
- Rev. Nobuharu Uzunoe
- 10月3日
- 読了時間: 9分
Vol. 25# 10

玉井光雄作「かばんもちのばあちゃん」 - 入信 - 先月号より
皆さん、今日は「神に心を向ける」というテーマで信心の勉強をさせていただきますが、「神に心を向ける」という言葉は一見簡単でわかりやすいように思えますが、実は非常に深い意味を持つ難しいものだと私は考えています。
私の経験
私が親の跡を継いで教会に座っていた頃のことです。ある日、突然三通の速達便が届きました。その当時、速達は最も早い伝達手段でした。三通の速達便は、いずれも右か左かをはっきりしなければならない内容でした。
一通は、仕事に関する重大な決断を迫られるものでした。
二、三通目は、生命にかかわる重病/に関する問題でした。
これらの手紙を見て、私はどう処理すればよいのかわかりませんでした。親が亡くなり、教会の跡を継ぐために若くして金光学院に入学し、修行を経て親教会である才崎教会で一年余りの修行を終えたばかりでしたので、こうした重大な問題に即座に指示を出すことはできませんでした。それでも答えを出さなければならず、途方に暮れていました。私はただ神様に一生懸命祈りましたが、不安でどうすることもできませんでした。指示が神意に反するものであったら、そしてその方々がおかげを受けられなかったらどうしようと、完全に行き詰まってしまいました。
相談の経緯
そこで、困ったときはいつも親教会の才崎三代教会長、片岡次郎先生に相談していたので、今回も「先生、どのようにおかげを受けたらよいか教えてください」とお参りしました。片岡先生は「お前は自分で書こうと思っているだろう。ここでいい文章を書いて、皆を感心させようという気持ちがあるだろう」と言いました。私は「はい、最初はそうでしたが、今は違います。だからどうすればよいかお伺いしに参りました。神様にお伺いして書かせていただきたい。そしてこのご用を無事に努めたいという気持ちです」と申し上げました。すると、片岡次郎先生は、
「それが違う。お前はまだ信心が浅いから神様に書かせていただく力はない。そういう考え方は心得違いだ」と言われました。
自分で書こうと思うと書けず、「神様に書かせていただきます」と言うと、「お前にはそんな力はない」と言われました。私は「それなら、先生、私はどうしたらいいでしょうか」と詰め寄りましたが、先生は私からふわっと体を交わしました。さらに問い詰めると、先生はまたさっと体を変えました。
教えの内容
そして先生は「お前の知っている教師の中に老人の先生がいるだろう。大先輩で大変偉い先生だと思うが、彼も若いころはそうではなかった。その方の若いころの話をこれからするからな」と言って、その先輩の先生のお話をお結界で聞かせてくださいました。
その先生も若いころにお結界に座っていた時、全く知らない方が金光教の御紋を見て入ってこられ、「初めてお参りいたしました。私は事業に行き詰まり、どうしてよいかわからず路頭に迷っていました。ここで助けていただけると思い、知らないうちに入りました。初めての者でもよろしいですか」と言われました。私は「それは結構です。どうされましたか」と尋ねると、「商売のことで行き詰まっています。このままだと私の店は破産します。いろいろ手を尽くしましたが、どうにも手立てが見つかりません。あちこち走り回っている時に、この教会の前を通ったので、思わず飛び込んだ次第です」と深刻な話をされました。
その先生も若くて経験が浅かったため、どうして良いか分からず、「ああしなさい、こうしなさい」と導く力はありませんでした。とにかく神様にご祈念するしか手立てがないと、ご神前で一生懸命ご祈念をさせていただきながら、「どうかこの氏子に何か良い知恵を授けてください」と願いました。しかし、いくらご祈念しても何も浮かんできませんでした。やがてその先生は拝み疲れて寝てしまいました。
目が覚めて振り返ると、参ってきた方はいませんでした。「しまった」と思いましたが、後の祭りです。必死に助けを求めて来られたのに、知らぬうちに寝てしまった。その方はきっとあきれて帰ってしまっただろうと、神様にお詫びを申し上げ、自分が情けない人間だと思い、その晩は一睡もできませんでした。
その後の出来事
翌日、その方が再び参ってこられ、「先生、どうもありがとうございました。先生が一生懸命拝んでくださったので、私も一緒に拝んでいましたら、心に一つの考えが浮かびました。先生がせっかくご祈念してくださったのに申し訳ないですが、すぐに手を打たなければ間に合わないので中座いたしました。そして、それがおかげを受けました。それまではどうしても考えられなかったのに、先生とご祈念している間に打開策が浮かび、おかげを蒙りました。これは神様のおかげで、先生が一生懸命にお祈りしてくださったおかげです。今日はそのお礼と、途中で帰ってしまったことの謝罪に参りました」と言われました。私は「いや、実は私は寝ていました」とは言えず、「ああ、そうですか、それは結構でございます」と言って事は済みました。
この話をお結界で、「今は髭を生やして歳をとり、えらそうな顔をしているけれども、その先生も若い時分はそうだったのだぞ。だからお前がこのくらいで困るのは当たり前だ。困らなかったらどうかしている。しかし、そんなに心配しなくてもよい。神様に書かせてもらうと言ったりするようなことを考えてはならない。神様はそんなけちなお方ではない」と教えていただきました。
その後、親先生は真顔になり、「あのな、この返事は神様が書かれるのだ。いいか、神様が書かれるのだ。お前が書くのでも神様がお前を使って書かれるのではない。神様自身がこのご返事を書かれるんじゃ。お前は神様と一緒に手紙を書くんだ。だから、ここを勘違いしてはいけない」と教えてくださいました。
信心について
信心とは、神様が私たちの方へ向いて拝んでくださるから、私たちの心に願いが生まれご信心ができ、おかげを受けることを自覚して神様に心を向けることです。これが真の信心です。この教えの心は、神様が私たちを思い、私たちに呼びかけてくださることから始まります。
信心とは、私たちの心が神様に向かうことではなく、神様が私たちの方に心を向けてくださっていることから始まります。このことをよく理解し、心に留めておいてほしいと思います。
最後に、教典の781頁にある「信心せよ。信心とはわが心が神に向かうことを言う」という教えについてですが、これは神様が私たちに命令しているわけではありません。神様の私たちへの思いが「私がお前たちのことを思っているから、どうか私の心に繋がってくれ」ということを表しています。この思いをよく理解していただきたいと思います。
次号へ続きます。
こころの練習帳 |
018 話しを聞いてもらう |
苦しい時は誰かに話を聞いてもらいましょう。傷ついた心も、「それは大変だったね」 の一言で癒えることがあります。誰か話を聞いてもらい、心に余裕が生まれたら、 今度は苦しそうな誰かの話を「どうしたの?」と聞かせてもらいましょう。 そこから助かりの輪が広がって行きます。 |
規約改訂プロジェクトの更新
先月のニュースレターでお知らせしたように、教会では現在の規約を見直し、最新のものにする作業を進めています。教会の規約は、意思決定に関するルールや教会の実践のセットです。ガーデナ教会の規約は、以下の添付ファイルでご覧いただけます。9月30日のアイリーンからのメールに添付された規約PDFを追加してください。
特別会議が、10月12日の日曜日の礼拝後にカフェテリアで開催され、会員が理事会で承認された規約を承認する機会が設けられます。「承認する」というのは、法律的な手続きに従い、理事会によって承認された文書に正式な同意を与えることを意味します。
承認段階での変更はできませんが、質問は10月12日の特別会議で受け付けます。規約を承認するためには、会員の定足数が必要ですので、教会の後にこの短い会議に出席するように計画してください。
チキン照り焼き
親愛なる皆様、
ガーデナ教会の新徳会が主催したチキン照り焼き販売でお会いできて嬉しかったです。切り分けの準備、鶏肉の調理、容器の詰め込み、そしてこのイベントを実現するためにご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。また、チキンプレートをご注文いただいた皆様にも感謝いたします。お食事が美味しく楽しんでいただけたことを願っています。今後も地域の金光教会やコミュニティとつながりを持つために、こうしたイベントを続けていきたいと思います。教会でお会いできるのを楽しみにしています!
心からの感謝を込めて、 ガーデナ教会信徒会
日めくり
4日。真にありがたしと思う心、すぐにみかげのはじめなり。
自分では欠点や残念なとこ理に思えてくる者でも、それらを含めて神さまがすべて自分に与えてくださったかけがえのないもの。
そうした受け止め方ができれば、人生が明るく、大きく変わってきます。
「頭はでかいし、脚は短いし 走るのはおそいし… これじゃあもてないよね」
「その一つひとつが かけがえのない あなたの個性ですよ。」
5日.痛いのが治ったのでありがたいのではない。
いつも健康なのがありがたいのぞ
頭、お腹、歯、…痛くなるのは辛いですね
だからこそ、痛くないときにそのことを感謝できるようになると、立派です。
「歯医者さんで虫歯を治してもらってよかったあ」「そうだね それでも普段一つも 痛くないのは もっとありがたいよね」
6日.祈れ薬れにすればおかげも早いが、薬れ祈れにするからおかげにならぬ。
お薬をいただく前には、神さまにお願いしてから頂くようにさせてもらいましょう。何事もまず神さまにお願いすることが大切です。
「お薬の前に 先ず神様じゃ」
金光教ガーデナ教会、ロスアンゼルス教会からのお知らせ
朝の礼拝
10月5日(日曜日)午前9時より、朝の祈りを行います。祈りの後、教会の内外を掃除しましょう。その後、信徒会の会議が行われます。どなたでも参加できます。
月例礼拝
10月12日(日曜日)午前10時より、ガーデナ教会の調停ホールで月例礼拝を行います。礼拝の後、ガーデナ教会の規約についての会議を開催します。どなたでも参加できます。
ガーデナ教会作業委員会勉強会
GCWCは、10月19日(日曜日)午前10時から午後2時まで開催されます。このグループに参加したい方は、埋ノ江師にご連絡ください。
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