Vol. 24# 6
中山亀太郎-安らかな母の死
このようにして、ご本部のご用をさせて頂いているうちに、母は昭和二十二年十二月八日、六十七歳でお国替えさせていただきました。
いつのことでしたか、母は私に、「戦災を受うけて丸裸になったが、ご霊地に帰らせていただいただけで、まことに結構なことである。
おまえは、ご用の都合で、また、どこかへ行くこともあるだろうが、わたしはご霊地で、金光さまのおひざ元で死なせて頂きたい。死ぬときには、大病や、長患をして嫁に下の世話をしてもらうようなことがあっては、嫁がかわいそうだから、眠ったままで死なせて頂きたい」と言ったことがありました。
年をとりますと、だれでも、楽な往生を願うものでありますが、母の場合は、楽な往生そのものが願いではなく、私のような者のところへ来てくれた嫁に、しゅうとめの大小便の面倒を見てもらっては、嫁がかわいそうだという、嫁思いの心からの祈りであり、願であったのであります。
十二月七日の晩、私は宿直でありましたから、早めに夕食を頂きに帰りました。母は少し風邪気味でありましたが、おかげを頂き、元気になりまして、「あしたは、たまねぎを植にいくつもりだ」と言いました。農家からたまねぎの苗をたくさん買って来ているのでした。
翌朝、宿直をすませて帰ってみますと、いつも早起きの母がなかなか起きてまいりませんので、「おばあちゃん、おばあちゃん」と呼んでみましたが、返事がありません。私は、はっと思いまして、私のほほを母のほほに、そっと当ててみましたら、つめたくなっておりました。
金光さまにお届けいたしまして、医者を迎えましたところ、「午前三時から三時半の間に、眠ったままで、心臓麻痺を起こしたのだ。しかも、心臓麻痺を起こす前には楽しい夢を見ていたのか、にっこり笑って笑顔が、まだ消えぬうち生きを引き取ったらしい」と言われました。
あわてていて、よく顔を見ていなかったので、あらためて母の顔をのぞいて見ると、いとも安らかに、その死顔に少しも苦しんだ色もなく、両手を胸のところで合わせ、足をまっすぐに伸ばしておりました。
にっこりと笑んでいる、神々しい姿を見まして、一代信心によって助けられ、広大なおかげをこうむり、金光さまのおひざ元で、こうして、その波乱の多い一生を閉じられたということも、母としてこのうえもない喜びであった、と思わせていただいております。母はその日、教主さまから、金光教教師(訓導)の称号を追贈していただく光栄に浴しました。
人一倍苦労をかけた私が、母に名残を惜しむことができなかったので、非常に残念に思いましたが、後から考えてみますと、それが母の願いであったことを思い、私が嘆き、悲しんでは、かえって相すまぬことだと思わせていただきました。
以上が、ごく簡単にお話しました、母の苦労話であり、母の信心のおかげによりまして、育てていただいた、私の身の上話であります。
くわしくお話すれば、際限がありませんが、あとはご想像していただきたいと思います。ことに、お母様である皆様には、私の母のたどったけわしい人生行路に、いく度か倒れながらも、信心によって救われ、神さまによって助けられつつ、一本足の私を温かい腕に抱きしめ、はぐくんでくれた、ひたむきの母性愛こそ、神さまに通じるものであり、またその力こそ神さまから授けられたものであったことが、おわかりいただけたと思います。
全く、わたしはこの母の愛と、母の信心の徳によって生かされ、先輩や恩師の指導と祈によって生かされ、社会の恩恵と神徳の中に生かされてきたのであります。
つづく
こころの練習帳
002 ちょっとしたことを大切にしよう
嫌みや小言を言われたり、洗濯物が裏返っていたり。ちょっとしたことに腹が立っていませんか? でもその逆にちょっとした感謝の言葉や思いやりの行動がとても嬉しかったりします。 ちょっとしたことって実はたいしたことなんです。 今日はちょっとしたことって言葉や行動を意識してみてください。
金光教ガーデナ教会、ロスアンゼルス教会からのお知らせ
朝参りと信徒会会議
六月二日、午前9時から朝の礼拝を仕えられます。ご祈念のあと教会内外の清掃。ガーデナ教会の信徒会会議を開催いたします。 興味のある方はぜひご参加ください。
六月の月例祭
六月九日、午前十時より、ガーデナ教会取次場にて六月の月例祭をお仕えさせていただきます。 直会後、一時から二時までご伝記金光大神(英語)の勉強会を行います。参加される方はそれぞれご伝記金光大神の本を持参ください。
GCWC 勉強会
Gardena Church Work Committeeを 6月30日日曜日の午前10時から午後2時まで開催をします。 仕事はご伝記の内容を教義的に検討し、質問を作る作業を行っている。
訃報
大変悲しいことに、吉田安子氏が四月三十日に逝去されたことをご報告いたします。 彼女の葬儀は来る六月十七日月曜日午前十時より行います。 安子さんの霊の安心と、残されたご家族のこと安心を祈り続けてください。時間の都合をつけられてご会葬。
北米教務センターからのお知らせ
恒例の北米、全カンファレンス来る七月二十三日から二十三日まで行われます。
二十三日から二十六日に、ユースキャンプ、
二十四日から二十六日に、ヤングアダルトセミナー、
二十四日から二十六日に、ファミリーキャンプ、
二十五日から二十六日に、スピリチャルセミナーが、
二十六日から二十八日に、信奉者大会が開催されます。
詳しいことは教会に連絡ください。
金光教北米教務センター(KCNA)は、2024年7月26日(金)~28日(日)にカリフォルニア州サンタバーバラ大学で開催されるKCNA年次会議に皆様をご招待いたします。会議の場所は次のとおりです。
今年のテーマは「日々の信仰の中で神の働きと愛を示し、確実に受け継いでいくことで、神と人との関係に目覚めさせる」です。
北米における金光教の過去と現在について、金光教がどのようにして北米で布教されたかを概説するプレゼンテーションが行われます。 金光教の出版書籍や資料を並べたテーブルが用意されており、ご検討いただけます。
招待状には、ポスター、サンタバーバラ エアバスのスケジュールと運賃、登録フォーム、および公証された児童保護者の同意フォームが下記のリンクに設置されています。
詳細については、kcnaoffice@konkofaith.org 又は教会までお問い合わせください。あなた、ご家族、ご友人をサンタバーバラに歓迎し、カンファレンスをお楽しみください。
また、プレカンファレンスの招待状, ポスター、登録フォームは下記になります。
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